これからは太陽光システムの時代?世界各国の普及率は?
クリーンかつ再生可能なエネルギーとして、世界中から注目を浴びている太陽光システム。日本でも「2010年代から急速に導入数が増えている」といわれていますが、果たして太陽光システムはどれぐらい普及しているのでしょうか?この記事では、日本はもちろん世界各国における太陽光システム普及率などについて、リアルな情報をお届けします。
世界の太陽光システムの普及率は?
ここでは世界各国のなかでも、太陽光システムの普及率の高い国をベスト3にて発表します。
3位はインド!経済成長と導入率が比例する
まず、第3位はインドです。2019年の時点で年間導入量が世界3位に、そして累積導入量は世界5位に輝きました。インドは太陽光システムにおいて新興国といえますが、目覚ましい経済成長と共に導入量が著しく増加しています。また、インドは晴天日数の多い地域も広く、日射量も多いため太陽光発電に向いている国だといえるでしょう。
2045年までに100%を目指すアメリカは2位
続いて第2位はアメリカです。2019年の時点で年間導入量・累積導入量の2つとも、世界2位に輝きました。また、「再生可能エネルギー・ポートフォリオ基準」を定めることによって、太陽光発電を含むクリーンなエネルギーの普及を促進させている州もあります。とくに、カリフォルニア州では再生可能エネルギーを2030年までに全発電量のうち60%へ、そして2045年には100%にする目標を立てています。
堂々の1位は中国!大気汚染への最終兵器?
年間導入量・累積導入量の2つとも、堂々の1位にランクインしたのは中国です。中国はとくに太陽光システムが急速に普及していますが、その背景に長年抱えている外気汚染問題があります。「再生可能でクリーンなエネルギーを活用することで、温室効果のあるガスを大幅に減らしていく」と国際社会にも表明しているため、今後も中国の太陽光システム導入量は大幅に拡大していくことが期待されます。
日本は太陽光システムの普及が進んでいる?
世界各国における太陽光システムの普及率がわかってきたところで、今度は日本の状況を見てみましょう。日本ではどれぐらい太陽光システムの普及が進んでいるのでしょうか?
年間導入量はなんと世界第4位にランクイン
日本の太陽光システム普及率ですが、年間導入量においては世界4位、そして累積導入量では世界3位となっています。とくに2012年にスタートしたFIT制度によって、2010年代から太陽光システムの導入が急速に進みました。また、2014年には年間導入量が中国に次いで世界2位になったこともあり、世界各国から見ても日本の太陽光システム導入量は盛んです。
2020年度の太陽光発電の年間導入量について
日本における太陽光システムの年間導入量は2019年で7GW、そして2020年には「さらに増加する見通しがある」と、国際エネルギー機関により発表されています。しかし、新型コロナウィルス感染症によるパンデミックの影響で、日本だけでなく世界中で太陽光システムの導入が減少する可能性もあるようです。
日本国内の2030年までの太陽光発電への目標
「2030年までに全発電量の中で、再生可能エネルギーが占める割合を22~24%まで上昇させる」それが、日本のエネルギー政策が掲げる目標となっています。その目標実現に向けて2021年の時点ではFIT制度が適用されていましたが、今後はFIP制度へ移行していく予定とのことです。今後のエネルギー政策にも、ぜひ注目していきたいところです。
これからの太陽光システムはどうなるのか
現在もなお日本を含めた世界中から注目を集める太陽光システムですが、これから一体どうなっていくのでしょうか?いくつかの可能性が考えられますが、そのなかで予想される出来事を2つご紹介します。
今後はより多くの国で利用される可能性あり
太陽光システムは「設置しやすく発電量が多い」という特性から、途上国や新興国でも急速に導入が進みつつあります。また、既存の物よりさらに安価な中国製モジュールも増えていることから、導入へのハードルも下がっているようです。そのため今後はより多くの国で、太陽光システムが導入される可能性があるでしょう。
FIP制度へ移行することでビジネスチャンスに
2012年にスタートしたFIT制度では、太陽光システムを利用して発電した電気を電力会社が買い取るシステムとなっています。その後、2020年には新たにFIP制度へ移行することが決定しました。
これによって電気の買取価格にプレミアムが上乗せされ、市場価格に連動することになったのです。そのため、市場価格が高い時に売電すれば、より収益を上げられます。FIP制度への移行は、そのままビジネスチャンスになるといえるでしょう。
ここまで日本を含めた世界各国における太陽光システムの普及率や、今後予想される太陽光システムの状況について、ご紹介しました。その他、近年ではZEH(ゼロエネルギー住宅)といって太陽光発電ですべての電力を賄い、電気代をゼロにする住宅も国土交通省や経済産業省などから推奨されています。地球環境はもちろん、財布にも優しい太陽光システムの導入を、検討してみてはいかがでしょうか?