太陽光発電のメンテナンスはなぜ必要?かかってくる費用も紹介!
太陽光発電は比較的故障やトラブルが少ない高性能な発電設備ですが、安心して使用していくには定期的なメンテナンスが大切だといわれています。しかし、メンテナンスの必要性について知っている人は多くありません。それではなぜメンテナンスが必要なのでしょうか?今回の記事では、メンテナンスの必要性と費用について解説しましょう。
太陽光発電のメンテナンスはなぜ必要なの?
太陽光発電のメンテナンスがどうして必要なのか?理由を紹介しましょう。
発電効率が低下するため
経年劣化によって太陽光モジュールの発電効率は低下し、発電量の低下につながります。またソーラーパネルの表面の汚れの放置で目詰まりを起こすことによっても、発電効率を低下させてしまいかねません。そして、発電量は季節や天候の日照時間に左右されるため一定ではなく、徐々に低下していくのでトラブルを見つけるのは難しいでしょう。さらに、モジュールは屋根に設置されているのが一般的なので、中々早期発見には至らないのが現状です。このようなことからメンテナンスをしっかり行うことで、発電効率の低下を防げることになります。
トラブルを早期発見して損害リスクを防ぐため
定期的なメンテナンスを行い、トラブルや故障を早期発見することが重要です。太陽光発電設備を目視で確認するのは難しいので、定期的に点検することが不可欠となるでしょう。またトラブルや故障の早期発見は、損害リスクを防ぐことにも役立ちます。
たとえば売電している場合、発電ロスで売電収入の減少が考えられるでしょう。メンテナンスを怠って劣化が早くなると、災害などによる被害も甚大なものとなりかねません。汚れを放置してパネルが故障し、「ホットスポット現象」と呼ばれる発火現象につながった例もあります。自然災害によって部品が飛散してしまうと、近隣住民とのトラブルに発展する可能性も考えられるでしょう。
トラブルを早期発見するにはメンテナンスは重要で、損害リスクを低減させられます。メンテナンスの頻度は天候、使用しているパーツなどによって変わってくるものでしょう。一般的に太陽光発電の部品の保証は10年程度で、出力保証は20年前後で切れるケースが多いようです。4年に1度の点検が推奨されていても、劣化具合などを確認しておくことが重要となってきます。積雪の多い地域などは、メンテナンスの頻度を高めることで安全性を保てるでしょう。
太陽光発電のメンテナンスの種類
太陽光発電のメンテナンスには複数種類があり、清掃と定期点検の2つが行われます。定期点検には「目視点検」と「測定機器による数値測定」があるようです。
清掃
太陽光パネルの表面の汚れを取り除いて各部分の埃などを清掃しますが、高圧洗浄機を使うこともあります。また設備周辺には雑草が多く生えるので、防草シートなどを使用することで雑草対策となるでしょう。各メーカーによっても清掃の方法は異なってきます。
定期点検
50kw以上200kw未満の太陽光発電の場合、年2回のメンテナンスが必要です。「目視点検」として、モジュールの表面の汚れ、破損、ケーブルの接続状態などのチェックを行います。「測定機器による数値測定」では、モジュールのセルラインチェックや赤外線センサーによるサーモグラフィー発熱などの数値測定を点検するようです。定期点検は、長期間安全に運用できるようにするためのメンテナンスとなります。
太陽光発電のメンテナンス費用はどのくらい?
太陽光発電のメンテナンス費用は、清掃が3~6万円、定期点検費用が1回につき1~2万円程度だといわれています。しかしメンテナンスの際に故障が見つかることもあるため、修理などの費用がかかってくる可能性が高いのです。部品の中でも故障しやすいものを紹介しましょう。
パワーコンディショナー
パワーコンディショナーは、太陽光パネルで発電した電力を家庭で使用できるように交換する機器です。電子機器であるため寿命があり、10年を目安に交換する必要が出てきます。交換は約20~30万円が費用相場ですが、メーカー保証期間内であれば無償となるでしょう。
太陽光パネル
メンテナンスの際、太陽光パネルが劣化していないかどうかのチェックは重要です。劣化や不具合が見つかれば、修理や交換をしなければなりません。太陽光パネルの寿命は20年程度といわれていますが、メンテナンス次第では30年使用できる場合もあるようです。交換の費用は、パネル1枚あたり10~15万円となっています。
これらの部品以外にも太陽光発電には多くの電子機器が含まれており、必要に応じて修理しなければなりません。自然災害によって修理や交換を余儀なくされた場合は無料となることが多いですが、保証金額に上限がある場合があります。上限を超えるケースは有料となるため、補償内容を把握しておきましょう。
機器のメンテナンスは安全・安心に使用するためには欠かせないもので、太陽光発電のメンテナンスも必要不可欠なものとなっています。費用の面を考えると大きな出費となる場合もありますが、故障を早期発見できれば事故を防ぐことができるでしょう。あらかじめ太陽光発電の維持費用として予算を組んでおくと、メンテナンス以外にかかる費用にも対応できます。たとえば点検のために足場を組む必要があり、思わぬ出費となることがあるからです。